人が成長するのは経験のおかげ
エクスペリエンス・エコノミーにおけるサービスの3分類の話のつづき。
デリバリーは代行。
エクスペリエンスは体験だった。
そして最後のトランスフォーメーションとは、人間を成長させるためのサービスつまり『変身』になる。
トランスフォーメーションは、下位の4つの経済価値である
- コモディティ
- プロダクト
- デリバリー
- エクスペリエンス
人間を変えるのは体験であって、必要な体験(エクスペリエンス)を組み合わせることによって、人間を変身させることが可能になる…というのがエクスペリエンス・エコノミーの主張だ。
学習塾とかスポーツクラブとか言ったサービスがトランスフォーメーションに当たる。
美容室やネイルサロン、ウォーキング教室、美容教室や話し方教室、などと言ったモノもトランスフォーメーションのビジネスになるだろう。
トランスフォーメーションという経済価値は、人間の「変身したい」「成長したい」という願望に応えるサービスであり、変身に必要な様々な知識とトレーニングを積ませることによって、変身を促すという形になる。
人が変わる時とは、認識が変わるとき
人間というのは、なかなか変われないものである。
ビジネスのセミナーなどに行くと、『マインド・セット』の話から始める場合も多いようだが自分がやりたいことが何か、そのために何が必要か、こういう確認作業をしないと心が邪魔をする。
人間というのは現状を維持することを頑なに守るという性質があって、必要がなければ現状を変えようとはしない。
現状を変えようとするにはハングリーでなければだめ、と言うようなことを言う人もいるが、何か強烈に「不足感」を感じていなければ変わらないと言うことだろう。
なのでそういう強烈なハングリー精神を持っていない人は、やりたいこと、楽しいことをやることで変わるしかない。
自分の本当にやりたいこと求めていることを、言葉としてハッキリさせて行動につなげるというのが、マインドセットの目的ということになるだろう。
しかしなぜマインドセットで変身を促すことができるのか?と言えば、それは「知識」の力かも知れない。
自分が本当にやりたいことに気づけば、何をやればよいのかがハッキリ分かる。
「何をやればよいのか分からない」から、「これをやればいいんだな」という風に変わるわけだ。
人間が変わるというのは性格が変わったのではなく、価値観や行動の優先順位が変化しただけってことだ。
たとえば服装や持ち物が変わるだけでも「あの人は変わった」と思われるはず。
このとき変わったのは、本人のファッションに対する意識であり、ファッションの優先順位が上がっただけであって、断じて性格が変わったわけではない。
だからトランスフォーメーションという経済価値を作るには、本人の価値観や優先順位を変更するような体験エクスペリエンスを用意すればよいということになる。
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しかし私が演奏を始めると…