商品・財といっても色々あります
自分が売りたいモノが形のある商品、すなわち在庫の出来る『財』であった場合、次はそれがどうのような財であるか、考えてみる。
経済学的な分類にも色々あるが、まずは経済財と自由財という区別がある。
経済財というのは、お金で取り引きされる財のことで、希少性があるもののことだ。
希少性と言っても限りがあると言う程度の意味であって、あまり大した区別ではない。
対義語として自由財というのがあるが、これは空気や雨水や石ころのように、人が住んでいるような所には必ずあるようなモノのことである。
必ずあって自由に使えるから、お金を出してまで売り買いすることはない。
お金を出さずに自由に手にはいるから自由財という。
次に私的財と公共財という区別がある。
私的財というのは、競合性と排除性を備えた財ということである。
自分が使えば、他人が使えないというのが競合性。
使わない人を閉め出すことが出来ることを排除性という。
この二つの性質を持つモノことがつまり私有ということだ。
競合性や排除性というのはちょっと説明が面倒な性質だが、情報社会ではこれが結構重要になってくる。
というのも情報社会でやりとりされる財は、競合性や排除性が弱く、投資したコストを回収するのが難しくなるからだ。
現代社会は「トフラーのタダ飯」と呼ばれる、殆どタダで利用できる財によって支えられている。
資本財・中間財・消費財
経済財と自由財、私的財と公共財という区分は、経済学の学問的な定義であって、普段はあまり大した意味をもたない。
経済学では、議論の前提として、言葉をこういう意味で使いますよ、と宣言しているだけで、普段は自由財や公共財についてはあまり議論しない。
なので実質的には、ここからの区分の方が重要かも知れない。
まず財の使用目的によって分類した区分で資本財と中間財と消費財と言う区別がある。
資本財とは投資財とも呼ばれ、モノを生産するための土地や機械などを言う。
基本的に投資財は耐久性があって、生産するたびに減らないモノを言う。
たとえば工場でクッキーを作っても、工場の土地は減らないし機械も減らない。
土地や機械はクッキー生産には必要であるが、作った産出物(クッキー)の一部になるワケではないから減りはしない。
科学で言えば触媒のようなものが資本財ということになるが、触媒の質によって、化学反応が速くなったり遅くなったりするように、資本財は生産効率に関係するし、産出コストに関係してくる。
つぎの中間投入財(中間財)とは、モノを生産するために投入する財のことで、生産が終わったら減ったり無くなったりするモノのことだ。
たとえばクッキーを作るとき、小麦や香料や調味料などの原材料や添加物が必要だし、クッキーを焼くためのガスや電気などといったエネルギーも必要になる。
また生産したクッキーを包むためのパッケージなども必要だし、脱酸素剤のような品質保持剤も必要だろう。
これらはクッキーが生産されると無くなってしまうので、生産を続けるならまた購入しないと行けない財である。
最後の消費財というのは、そのまま使用されて無くなってしまうモノを言う。
クッキーは食べてしまうと無くなってしまうから消費財といえる。
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