扱っている商品の代替財はなんだろう
経済学における財・商品の分類としては他の財との関係による分類というモノもある。
たとえば代替財と補完財、上級財と下級財という分類だ。
まず代替財(だいたいざい)というのは、ある財の代用となる財・商品のこと。
たとえばコーヒーの値段が上がったときに、
- コーヒーの消費量が減って
- 紅茶の消費量が増える
こういう場合、コーヒーと紅茶はお互いに代替財の関係にあるという。
つまり「コーヒーが高いから買うのをやめて、替わりに紅茶を買う」というふうな行動が起こるわけだね。
コーヒーでなきゃダメ!という人であれば、コーヒーの値段が上がってもコーヒーを買い続けるが、コーヒーでも紅茶でもいいや、なんなら水でもOK…と言う人はコーヒーの値段が上がると紅茶を選ぶ。
ビールと発泡酒、第3のビールなんて言うのも代替財の関係だが、これはどちらかというと上級財・下級財という感じが強い。
上級財というのは、収入が増えると消費が増える商品のことで、下級財というのは、収入が増えると消費が減る商品のことだ。
つまり給料が上がれば高級レストランに行ったりするが、そこには発泡酒はなくビールしかなかったりするから、ビールの売り上げが上がって発泡酒の売り上げが減るというようなことがおこるわけだ。
iPad iPhoneなどが爆発的に売れた理由は?
チラシやセールスレターを書く場合、代替財がなんであるかハッキリ認識するかどうかで、内容は変わってくるだろう。
というのも代替財というのは、価格が上げると売り上げが減ってお客さんが他に流れると言うことが起こる可能性の高い商品だから。
それと比べ自分の商品は何が優れていて、誰にピッタリなのか、説明する必要がある。
逆に代替財と比べられてはかなわんとばかりに「うちの商品は唯一無二の商品です!」などとうたってみたら、おそらくは逆効果だろう。
というのも唯一無二の商品は、タカがわからないから。
良いものなのか悪いものなのか、値段は手頃なのか高いのか、その当たりの判断が付かないから、かえって購入に二の足を踏む。
唯一無二の商品というのは、比較しようがないので売れないのだ。
たとえば今や世界最大の企業となったアメリカのアップル社。
唯一無二の製品を生み出し続けている独創的な会社として知られている。
マッキントッシュ・パソコンで美しいパソコンを作り上げ、ビジネス用のウインドウズパソコンとは一線を画し、ずっと個性的なツールを提供しつづけ、コアなファンによってのみ支えられてきた。
しかし業績はずっと低迷していた。
ところが2000年代に入り、iPodを大ヒットさせ、さらにiPhone、iPadという大ヒットを生み出して今や時価総額世界最大にまで上り詰めた。
コアなファンとマニアによってしか支持されてこなかった会社が、なぜ時価総額世界一まで伸びたのか?「iPad iPhoneなどが爆発的に売れたのは、唯一無二だからじゃないの?」それは多分違うだろう。